中野駅周辺の再開発はどうなるのか。中野サンプラザは解体? 西口改札はいつできるの?

2019-01-29

中野区在住の僕としては、ずっと気になっていた中野サンプラザ解体問題。

2018年6月の中野区長選挙で、現職を破って新人の酒井直人氏が当選したことにより、ついに本格的に動き始めたようです。

酒井区長は、同年9月、サンプラザについての基本方針を発表しました。
あわせて、中野駅周辺の再開発についての展望も発表。

でも、区の発表した資料は少しわかりづらい……。

中野サンプラザ、中野駅周辺は今後どうなるのでしょうか?

施設ごとにまとめてみました。

[ad01]

中野サンプラザは解体するの?

2023〜24年頃に解体する予定です。

中野区長の定例記者会見でコメントがありました。

新区役所の竣工が2023年度の予定で、区役所の解体は2024年度頃からとなる。サンプラザの解体はその前後となる見込み。
出典:2018年9月18日 区長定例記者会見を行いました

代わりに何か建てるの?

中野サンプラザの後継施設を建築予定です。1万人規模のアリーナを検討しているそうですが、まだ叩き台の段階です。
どんな施設にするかは、今後も区民の声を集めて検討していくとのこと。

後継施設は同じ場所?

現在の中野サンプラザよりも少し北、かつ区役所のある区域も含みます。
こちらの地図の黄色の範囲内で、北側のエリアが予定地です。

画像出典:中野四丁目新北口地区まちづくり方針

黄色の範囲、中野駅側の出っ張った用地は、別の施設ができます。

サンプラザの他にもビルが建つの?

建ちます。
前項の黄色の出っ張った部分、現在の中野サンプラザの手前半分あたりの土地に、商業施設・オフィス・ホテル・住宅を兼ね備えた高層ビルを建てるようです。
こちらがサンモール側から見た断面図。

画像出典:※1
中央の「住宅・ホテル・オフィス・商業施設」と記された部分です。
かなりの高層になりそうですが、概要はまだはっきりしていません。
2016年時点でのイメージ図ではこんな感じ。東中野側から見た図です。

画像出典:区役所・サンプラザ地区再整備事業事業協力者 提案概要書
サンプラザの跡地に高層ビルが建ち、その北側にあるスタジアムのようなものが新サンプラザです。
これはあくまでイメージ図なので、建築物のデザインは大幅に変わると思われますが、位置関係はこの通りになる予定です。

何で建て替えるの? そのまま使えば?

中野サンプラザができたのは、1973年。
2018年現在で築45年の建物です。
鉄筋コンクリート製の建物は、耐久性としては築50年がひとつの区切りとなります。
耐震性や安全性の面からも、このまま使い続けるというのは厳しいようです。

じゃあ補強工事すれば? その方が安くない?

補強工事をするか?
解体して建て直すか?
これが長年の争点のひとつでした。

中野区の主張をざっくりまとめると、
「補強工事するとすごいお金がかかる。今の中野サンプラザの稼ぎでは到底元が取れない見通しなので、黒字化を目指すためにも建て直したほうが良さそう」
という内容です。

補強工事はどれくらいかかるの?


画像出典:※1
区の試算では、築60年まで使えるようにすると最低でも約32億円かかります。
さらに中野サンプラザの経営会社には借金が44億円あります。
現在のサンプラザの純利益は、年間で2.5億円です。
このペースで稼いでも、2.5億円×15年=37.5億円なので、築60年まで粘っても借金があまり減りません。
ならば、もっと稼げる施設にしよう、という考えなのです。

そもそもホールとかアリーナとかいらないんじゃない?

中野区としては主に2つの理由を挙げています。

区民の声を聞くと、中野サンプラザへの思い入れが強い

中野の街の発展のためには、ホール施設は必要

このあたりもいろいろ意見が分かれるところですが、おおまかにはこのふたつが理由です。

中野駅の西口改札はいつできるの?

2026年の予定です。

中野駅利用者が長年求めてきた西口改札ですが、まだまだ先です。
でも完成予定が決まっただけでも進展したとも言えますね。
[ad02]

西口には駅ビルも建ちます

5階建ての駅ビルが建ち、隣には新しい中野駅舎ができます。
駅ビルは2026年に完成予定で、商業施設も入ります。
アトレ、またはアトレヴィのような施設になりそうです。

位置関係はこちら。

画像出典:※2

西口改札側には南北通路もできます

これまでは線路を超えるのに中野通りのガード下をくぐるしかありませんでしたが、西口改札に南北通路が作られます。
便利になりますね。

西口駅前広場の完成イメージ


画像出典:※1
レンガ坂と、JRの線路に挟まれた区域の一部を再整備して、このような広場ができます。
TSUTAYAがあったころが懐かしい……。
エスカレーターとエレベーターが描かれており、ユニバーサルデザイン構想が生かされています。

中野区役所はどうなるの?

現在の中野区役所は解体されます。
新庁舎は2023年、現在とは別の場所に建つ予定です。

新しい区役所はどこにできるの?

現在、中野体育館あたりが予定地となっています。

画像出典:※2

中野区役所の跡地はどうなるの?


画像出典:※2
手前のエリアは「新北口駅前広場」の一部に。
奥のエリアは、中野サンプラザの後継施設の土地となります。

南口には高層ビルが2棟できます

2022年に竣工予定です。
南口を出て左手すぐのエリアに建ちます。

画像出典:中野南口地区まちづくりについて

事務所棟の20階建・住宅棟の37階建

イメージはこんな感じです。

画像出典:中野二丁目地区再開発(東京都中野区)/事業参画予定者に住友不/準備組合[2015年4月6日4面]
遠くからでも、かなり目立ちそうですね。
ちなみに工事着手が2019年10月
この区域のテナントは移転か、完成後に事務所棟に入るか、となりそうです。

階数・高さ
事務所棟:地上20階/地下2階、高さ約120メール
住宅棟:地上37階/地下1階、高さ約145メートル
工事着手 平成31年10月
建物竣工 平成34年12月
出典:中野二丁目地区市街地再開発組合の設立を認可します

[ad02]

建築予定のまとめ

時系列順に表記していくとこうなります。

これらはあくまで「予定」です

2022年 南口に高層ビル2棟、竣工
2023年 新中野区役所、竣工
2024年 中野サンプラザ、解体開始
2024年 現中野区役所、解体開始
2026年 西口改札・中野駅ビル・南北通路が完成

新サンプラザはいつできるの?

2018年10月現在、未定です。
そもそもどんな建物にするかが決まっていません。
同様に、中野サンプラザ跡地に建つ高層ビルの竣工もまだ未定です。

酒井区長の方針について

酒井区長ってサンプラザ解体には反対だったよね?

2018年の中野区長選挙の際には、中野サンプラザ解体を含む再開発計画の凍結と見直しを掲げていました
中野区長選挙公報(酒井直人)
出典:中野区長選挙 選挙の記録

凍結してないんじゃ……?

2018年6月の就任後、すぐに凍結しました

東京都中野区長選(11日開票)で初当選した酒井直人区長(46)が15日、初登庁した。酒井氏は就任会見で、区長選で争点となった中野サンプラザ解体や1万人収容のアリーナ建設などの中野駅北口整備計画について「一度立ち止まる」と述べ、凍結を表明した。今秋にも学識経験者らによる検証委員会を発足させ、答申を受けた上で方針を決める。

出典:新区長が初登庁 サンプラザ解体、凍結表明

でも、現在は解体の方向へ?

凍結後、区民会議やミーティングを行い、計画を見直しました。
その結果、同年9月に、前区長の方針を踏襲するかたちで、解体することに決めた、とのことです。
定例記者会見でも触れています。

まだ区民等の意見をしっかり聞いていないのでは、という指摘もあるが、区民会議やタウンミーティング、個人として開催した会でたくさんの意見をもらってきた。
その中で、中野駅の西口改札をとにかく急がないといけない、都市計画の手続きを進めないといけないと考えた。
出典:2018年9月18日 区長定例記者会見を行いました

区民の声を募集中です

2018年10月22日まで、中野区役所は再整備についての意見を募集しています。
後継ホールの規模や、こういう施設にしてほしいなど、何か意見がある方はこの機会に送ってみましょう。
メール・郵送・FAX、または直接窓口へ。

問い合わせ先はこちら。
区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議の開催及び意見募集について

これからの情報に注目

今回紹介した情報も、いくつか変更される可能性も大いにあります。
中野区役所が、「中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.1」を策定したのが2006年です。12年前です。そこから紆余曲折を経て、少しずつ進んできた中野駅の未来のプラン。
これからも様々な議論の中で、定まっていくものと思われます。

現在のサンプラザの姿が見られなくなるのは寂しい気持ちもあります。

その気持ちを踏まえての再開発ですので、たくさんの人が喜べる素敵な街になってほしいです!

===
画像出典
※1:区長記者会見資料(2018年9月18日)
※2:なかの区報2018年10月5日号 2~3ページ