映画「タワーリング・インフェルノ」から学ぶキャラの立て方
パニック映画の名作「タワーリング・インフェルノ」。
見どころを3つ、紹介します。
ありえなかった、名優2人の共演
本作は主人公が2人います。
消防隊のチーフ、オハラハン隊長。
そして高層ビルの設計士、ロバーツです。
オハラハン隊長を演じるのはスティーブ・マックイーン。
ロバーツはポール・ニューマンが演じています。
どちらもすでに名優としての評価を確立させていました。
1970年代のハリウッドは、俳優がひとつの映画配給会社と親密な関係となり、その会社の作品にしか出演しないことが普通でした。
マックイーンは20世紀フォックス、ニューマンはワーナーブラザーズの映画に出ることが多かったのです。
それぞれの配給会社はライバル同士。
同世代のマックイーンとニューマンも、ライバル俳優の関係にあると広く知れ渡っていました。
そんなマックイーンとニューマンが同じ作品で共演するなんてありえない……はずです。
しかし、本作は20世紀フォックスとワーナー・ブラザーズの「共同制作」でした。
そのため、両者の看板俳優がダブル主人公を務めることとなったのです。
主人公二人が言い争いをするシーンは、二人の演技そのものが衝突しているよう。
名優二人の演技そのものに、じゅうぶん見応えがあります。
本物の炎の迫力
映画が公開されたのは1974年。
CG技術は無い時代ですので、映っている炎はすべて本物です。
屋内のシーンでは、ビルの居室や廊下のセットを作り、実際に燃やして撮影しています。
ビルの外観は、数十メートルの高さのビルの模型を作って燃やしたそうです。
登場人物が火だるまになるシーンも、防火服を着たスタントマンを使い、火をつけているのです。
CGとは違う、リアルな炎の迫力が感じられます。
現代にも通じる「人災」の描写
作中のビル火災は様々な要因が積み重なって大惨事にたります。
その要因のほとんどが、人によるものです。
安全よりも利益。
大丈夫だろう、という過信。
いまさらやめられない、という思いによる判断ミス。
古い映画ですが、防災の観点では現代にも通じる心理が描かれています。
午前十時の映画祭でも上映されたこともあります。
午前十時の映画祭 タワーリング・インフェルノ
映画館で見られる機会があれば、ぜひ見てみてください。