映画「アニー・ホール」から学ぶキャラの立て方
1977年のアカデミーで作品賞・監督賞・脚本賞を受賞した「アニー・ホール」。
ウディ・アレンが手掛けるロマンスコメディの代表作です。
理解するには知識を要するジョークが多く、また当時としては奇抜な演出が特徴的で、多くのファンを獲得しました。
作品の根幹となるのは、ウディ・アレン自信が演じる主人公、アルビーの偏屈な性格です。
本作は、アルビーの独白から始まり、主人公はどんな人物像なのか?という前置きから物語が語られていきます。
独白による主人公の説明
13秒で出てくる彼の人生観
アルビーはいきなり小話を語り始めます。
「古いジョーク。二人の老女が保養所で過ごしていた。彼女たちはこう言ったんだ、「ここの食事は本当にひどい」「盛りも少ないし」。そう、これが僕の人生観です」
シーンが始まってわずか13秒で、主人公の人生観を、観客に向けて語らせます。
このスピード感がすばらしい。
この後、主人公はこう続けます。
「人生は孤独で、みじめで、苦しく、そしてあまりにも早く終わる」
やけにネガティブ思考の人物であるとすぐにわかります。
女性関係のスタンス
次に、グルーチョ・マルクスの名言として、こんな言葉を紹介します。
「私を会員として受け入れてくれるようなクラブに、私は入りたくない。これは女性関係での僕の主要な考え」
これもかなりひねくれた主張ですが、実際に女性関係において、この言葉通りの振る舞いをします。
その後も40才を迎えたことや、薄毛を気にしていることなど、ジョークを交えて語っていきます。
彼に何が起こったのか?
そして、唐突に、こう語ります。
「アニーとは別れたけど、まだ未練があるんだ。今でも、なんでダメになったかを考えてる」
「1年前はあんなに愛し合ってた」
この映画のタイトルは「アニー・ホール」、女性の名前です。
アニーと別れた、という話を先に伝えることで、観客はもう少し先で「この映画は、アニーと出会って、恋人になり、別れるまでの物語なんだ」とすぐに察することができます。
まとめ
・主人公に独白させることで、手早く主人公の人となりを伝える
・主人公が面倒なタイプの男性であることもすぐにわかる
・その後の展開を語らせて、観客に準備をさせる
シナリオ作成の参考にしてみてくださいね。