松任谷由実の紅白出場、衝撃だった３つのサプライズ【紅白歌合戦2018】
平成最後の紅白歌合戦、甘く見ていました。
ガキ使とザッピングしていたのですが、後半は畳み掛けるような演出についつい見入ってしまい……。
気づいたら最後まで見てしまいました。
心つかまれたシーンはいくつかありましたが、
松任谷由実（ユーミン）の紅白出場について触れたいと思います。
「ひこうき雲」と「やさしさに包まれたなら」を披露したのですが、多くの驚きと感動があったパフォーマンスとなりました。
ポイントは、３つのサプライズ。
ひとつずつ、解説していきます。
選曲のサプライズ
今回、松任谷由実が出演にするにあたって、事前に発表されていた曲目は、
「私が好きなユーミンのうた〜紅白スペシャル〜」
と題されており、具体的な曲名は明かされていませんでした。
視聴者としては、松任谷由実が登場して歌い出すまで、何を歌うかわからなかったのです。
視聴者の投票から選ばれた２曲
今回は、松任谷由実の出演に合わせ、紅白歌合戦のHPで「私が好きなユーミンのうた大募集」という企画が実施されました。一般視聴者から好きな歌を募った結果は……
2位：やさしさに包まれたなら
3位：DESTINY
4位：守ってあげたい
5位：ひこうき雲
出典：https://www.nhk.or.jp/kouhaku/yuming/
こちらを参考に、
「ひこうき雲」
「やさしさに包まれたなら」
が選ばれました。「春よ、来い」が順当に選ばれるかと思いきや、ジブリ作品に使われた２曲となりました。
説明の必要も無いくらいに有名な曲ですが、一応簡単にご紹介。
ひこうき雲(1973年)
荒井由実（松任谷由実）のファースト・アルバム「ひこうき雲」に収録。
初期の荒井由実の代表曲です。
2013年のスタジオジブリ映画「風立ちぬ」の主題歌になりました。
やさしさに包まれたなら(1974年)
セカンド・アルバム「MISSLIM」に収録されたシングル曲。
1989年のスタジオジブリ映画「魔女の宅急便」のエンディングテーマとしても有名ですね。この曲を聞くと、エンドロールを思い出す人も多いのではないでしょうか。
NHKホール登場のサプライズ
「ひこうき雲」は別のスタジオから中継
教会を想わせるようなセットを背景に、ピアノとストリングスでアレンジされた「ひこうき雲」が歌われました。
最近の紅白歌合戦では、大物アーティストが別の場所から中継で歌うことは珍しくありません。今回も、松任谷由実の登場までに福山雅治、Perfumeが中継で登場、米津玄師も徳島から中継で出演すると報じられていました。
2011年に松任谷由実が出演したときはNHKホールの舞台で歌っています。とは言え、荘厳なセットの中で「ひこうき雲」を歌っている姿を見て「今回は中継での出演か……」と思った視聴者が多かったはずです。
歌い終わると、どこかへ移動
「ひこうき雲」を歌い終えた松任谷由実は、笑顔を浮かべて、つかつかと歩き出し、画面から消えてしまいます。一体どこへ行くのだろうと思っていると……。
NHKホールの舞台に登場！
「やさしさに包まれたなら」のイントロが流れる中、舞台の下手から松任谷由実が颯爽と登場。まさかの生出演となりました。応援として司会の近くにいたaikoは、姿を見た途端に涙があふれます……。
ステージにはバックバンドが生演奏しており、松任谷由実は観客に「よかったら一緒に歌ってね」と声をかけます。そのせいで出だしの歌詞を少し歌えませんでしたが、とくに焦ることなく途中から歌い始めたのでした。さすが大御所、落ち着いています。
ホールに響く、観客の合唱
松任谷由実の背景セットには、大きく歌詞が映し出され、観客が歌いやすいように配慮。次第に大きくなった観客の歌声は、やがて松任谷由実のマイクに届き、テレビを見ている視聴者にも観客の歌声が聞こえ始めたのでした。
さらに、ボロ泣きするaiko、涙を浮かべる安藤サクラ、笑顔で「やさしさに包まれたなら」を歌う観客たちが次々と映し出されたのです。
声は出てなかったけれど、感動的
松任谷由実の歌声は、お世辞にも上手とは言えないものでした。しかし個人的には、とても感動的なステージでした。
歌の上手い下手を超えた、一体感のあるライブの感動を見せつけられたように思います……！
バックバンドのサプライズ
さらには、松任谷由実のバックバンドがすごかった！
「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」の制作に携わったミュージシャンたちが多数参加していたのです！
その他も、日本の音楽シーンで活躍してきたメンバーばかり。
ざっくり紹介していきます。
原曲を演奏していたバンドが登場
「ひこうき雲」と「やさしさに包まれたなら」のレコーディングに参加していたのが、「ティン・パン・アレー」というバンドです。
「ティン・パン・アレー」とは
細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆が結成したバンドです。結成時は「キャラメル・ママ」というバンド名でした。ライブ活動よりも楽曲プロデュースが多く、荒井由実（松任谷由実）の初期作品に多く携わっています。
「ひこうき雲」と「やさしさに包まれたなら」の音源は、ティン・パン・アレーの演奏です！
「魔女の宅急便」「風立ちぬ」で流れたものや、CDや配信で聞ける演奏は、ティン・パン・アレーが当時レコーディングスタジオで鳴らした音なのです。
さらに「スカイ」と「はっぴぃえんど」
「スカイ」は鈴木茂、林立夫、小原礼が1968年に結成したバンド。
「はっぴぃえんど」は、細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂が1969年に結成したバンドです。
細かく見ていくとキリがないのでここは省略……。
2018年紅白でのバックバンドメンバー
コーラスを除くと以下の構成でした。
キーボード：武部聡志
ドラムス：林立夫
ベース：小原礼
ギター：鈴木茂
ギター：遠山哲郎
一人ずつ紹介していきます。コアなファンの方から見ると情報が足りてないかもしれませんが、詳しい情報はWikipediaや公式サイトなどでご確認ください。
キーボード：松任谷正隆
作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
松任谷由実の夫。
「ひこうき雲」のレコーディングで荒井由実（松任谷由実）と出会い、後に結婚。
ティン・パン・アレーのメンバー。
カーグラフィックTVなどに出演、自動車評論家としても活動。
キーボード：武部聡志
作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
1970年代から多くのアーティストのバックバンドとして活動。
1980年代、斉藤由貴や小泉今日子などの編曲を手がける。
1990年代、フジテレビの音楽バラエティ「LOVE LOVE あいしてる」に出演。番組内のバンドでキーボードを務める。Kinki Kidsの「全部だきしめて」なども編曲。
2000年代、一青窈をプロデュース。また、フジテレビ「僕らの音楽」「FNS歌謡祭」の音楽監督を務める。
ドラムス：林立夫
ドラマー、音楽プロデューサー。
スカイのメンバー。
ティン・パン・アレーのメンバー。
スタジオミュージシャン、セッションミュージシャンとして多くのアーティストの楽曲に参加。
ベース：小原礼
ベーシスト、作曲家、音楽プロデューサー。
スカイのメンバー。
サディスティック・ミカ・バンドのメンバー。
尾崎亜美の夫。
2010年代は奥田民生と親交を深め、アルバムレコーディングやツアーに参加。
ギター：鈴木茂
ギタリスト、作曲家、編曲家。
スカイのメンバー。
はっぴぃえんどのメンバー。
ティン・パン・アレーのメンバー。
スタジオミュージシャン、セッションミュージシャンとして多くのアーティストの楽曲に参加。
ギター：遠山哲郎
ギタリスト。
様々なアーティストの楽曲に参加し、松任谷由実のコンサートツアーにも帯同。
武部聡志が代表取締役会長を務める株式会社ハーフトーンミュージックに所属。
レジェンド勢揃い！
1970年代からの音楽シーンを支え続けたアーティストが集まり、松任谷由実のために演奏していたのです。
Twitterから感想をいくつか拾ってみました
ユーミン。松任谷正隆、鈴木茂、林立夫、小原礼、すごいね、書ききれないうちに終わってしまった。
松田聖子では笑顔だった出演者が、今度は泣いている。これがポップスです。拍手。— 牧村G憲一 (@makiji) December 31, 2018
紅白のユーミンバンド凄かったな。鈴木茂、林立夫、小原礼、武部聡、正隆さん。何回観ても泣くわ。
— ゆう (@yanchi_88) December 31, 2018
紅白のユーミンは凄かった！
バックはほぼキャラメルママというバンドで当時レコード収録したメンバー。
旦那松任谷正隆がローデスピアノ、ギター🎸は鈴木茂（はっぴいえんど）、ベースは尾崎亜美の旦那の小原礼（YMOにも参加）、ドラムは林立夫（大滝詠一のお抱え）— Mizutani (@porsche906) December 31, 2018
リアルタイムで1970年代の音楽に触れていた世代にとっては、特別なステージだったと思います！
「やさしさに包まれたなら」のアレンジは原曲通り
アレンジは、レコードに録音された音そのものでした。
鈴木茂がボトルネック奏法で鳴らす独特のギターリフも、音源通りの音。
CDなどで聞いてきたものと同じアレンジで聞ける良さは、やはりあると思います。
聞いていて、なんとも言えないせつなさを感じたり、様々な思い出がよみがえった人も多かったのではないでしょうか……。
松任谷由実の言葉
司会の内村光良に、どうしてNHKホールに来てくれたんですかと問われて、こう答えました。
「平成最後のお祭りですから」
多くのサプライズがあり、またいろいろな世代を感動させたパフォーマンスは、平成最後のお祭りにふさわしい内容だったと思います。
同じようなステージをテレビで見ることは、もう二度と無いかもしれません。
平成の終わり際に、松任谷由実が贈ったサプライズ。
これで最後はちょっと寂しいですね……。
またいつかの紅白で、ユーミンが見られる日を期待しています！
ネット配信やCDはこちら
iTunesStoreはこちら！
荒井由実「ひこうき雲」より
荒井由実「MISSLIM」より
iTunesStoreで「やさしさに包まれたなら」を見てみる！
「40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。」
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CDでもやっぱりベスト盤がおすすめ！
有名曲全部入ってます！